ボーズ・オブ・カナダの新作先行試聴会に行ってきた

ボーズ・オブ・カナダの新作先行試聴会に行ってきた

ボーズ・オブ・カナダの新作が13年ぶりにリリースされる。

スコットランド出身のマイケル・サンディソンとマーカス・イオン兄弟によるエレクトロデュオBOCはエイフェックス・ツインやオウテカと肩を並べ、名門ワープの重要アーティストとして類まれなる作品を世に送り出してきた。

そんな彼らがニューアルバム『インフェルノ』をリリースするという。前作『トゥモローズ・ハーヴェスト』から実に13年、ファンにとっては待ちに待ち焦がれた新作だ。来たる新作発表に先駆けた先行試聴イベントに参加するべく、渋谷・ヒューマントラストシネマに足を運んだ。

到着すると、200席ほどの場内はすでに満員で新作への熱量の高さがうかがえる。独特の緊張感に包まれる中、上映がスタート。アナログビデオ調の不穏な映像に続き、象徴的な六角形の太陽がスクリーンに映し出され、揺らめく炎を背景に回転を始める。終始流れるこの催眠的なビデオクリップによって、BOCの世界観がゆっくりと場内を侵食していた。

肝心のアルバムは、これまでの作品の中でも明らかに異質であり決定的だ。暗く重い低音と歪んだギターサウンドが目立ち、加えてボコーダーによる声明やAI音声のような語りかけが、まるで何かを警告しているかのように不穏な雰囲気を際立たせている。もちろん、前作までのようなノスタルジアを喚起させるローファイなテクスチャーは保ちつつも、これまでの幽玄で牧歌的なイメージが刷新されていることは一目瞭然だろう。『トゥモローズ〜』までに残した不吉な空気感をよりいっそう増幅させ、オカルティックで宗教的儀式をモチーフとした世界観はそのタイトル群にも明白に表れている。

約70分間の上映が終わり、会場からは拍手が起こった。全18曲およぶ大作『インフェルノ』は5月29日解禁。シーンに波紋を広げるであろう注目作のリリースを今から心待ちにしたい。(土屋聡子)
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