きっとこれからたくさんの音楽が奏でられるであろう新しい場所の幕開けに相応しい、清々しく、希望に満ちたライブだった。
今年10月に東京・お台場エリアにオープンした新アリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO」。その音楽ライブこけら落とし公演が、10月11日、12日の2日間にわたり開催された。記念すべき新アリーナでの初音楽ライブを任せられたのは、Official髭男dism。本稿では、2日目に当たる12日の様子をレポートする。
今年はスタジアムツアーがあり、たくさんのフェス出演があり……と、怒涛のライブスケジュールの中で活動してきたヒゲダンだが、疲れなんて一切見せないパワフルさで、彼らは新しい会場の始まりを祝福していた。
TOYOTA ARENA TOKYOはキャパ的には日本武道館に近いくらいだろうか。男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」所属のチーム・アルバルク東京のホームアリーナでもあり、スポーツ観戦に適した楕円形が採用されている。
この日のライブも、ステージを360度観客席が取り囲む形で行われた。観客たちに囲まれた空間の中心から、ヒゲダンの華やかなポップソングが放たれていく……その光景はまさに祝祭。加えて、やはり360度ステージなのでステージと観客席との距離が近い。アリーナ会場ならではのスケール感もありながら、とても親密な空気感にも満たされていく。この「でっかくて華やか」な感じと「あったかくて近い」感じが共存しているところが、ヒゲダンの音楽の空気感に心地よくフィットしていた。(以下、本誌記事に続く)
文=天野史彬 撮影=小杉歩
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より抜粋)
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