もしあなたが彼女たちをアイドル要素先行で認知していたり、いわゆるノスタルジックなハードロックをリバイバルしているくらいの認識をしているなら一度再生してみてほしい。ガツンとやられてしまうケース、多いんじゃないだろうか。自分たちだけが楽しむBAND-MAIDのハードロックではなくて、聴いてくださる方がどう捉えるかという選択肢のある音を紡いでいきたい
結成13年目と聞くと「もうそんなに?」と思ってしまうのだが、一昨年に「ロラパルーザ」出演や横浜アリーナでのワンマン開催を果たすなど、ここへきてその勢いはむしろ増している。昨年リリースされたフルボリュームなアルバム『Epic Narratives』からわずか1年という期間で世に放たれたEP『SCOOOOOP』でも、その脂の乗りっぷりを鮮やかに可視化。『ロックは淑女の嗜みでして』のオープニング曲“Ready to Rock”に『桃源暗鬼』エンディング曲“What is justice?”、『全修。』オープニング曲“Zen”と強力なアニメタイアップのシングル3曲はもちろん、作品全体を通してハードでメタリックな音に主軸を置きつつも、ポストロックやダンスミュージック、ファンク、J-POPまであらゆる要素を呑み込んだエクストリームな楽曲を、目を見張る技巧と凛とした歌声で鳴らしきっている。
本誌初となるロングインタビューで、今こそ彼女たちの愛すべきキャラクターと、「世界征服」を目指す気高き野心に触れてほしい。
インタビュー=風間大洋 撮影=中野敬久
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より抜粋)
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