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TVアニメ『SPY×FAMILY』Season 3のオープニング主題歌として書き下ろされた“灯を護る”は、少し驚くくらいに作品世界に寄り添って書かれている。草野マサムネ(Vo・G)は、『SPY×FAMILY』の物語の根底に「哀しみ」を見てとり「そこから逃げない歌にしたいと思いました」とコメントしていた。さらには「楽曲全体のベクトルが最終的には希望に向かっているような、そんな歌に」と。その言葉通りの歌だ。この歌には切実な希望の瞬きを感じる。サビ終わりでは、その微かな「灯」に全力で燃料をくべるように高らかなサウンドが響いて強く心を揺さぶる。まるで小さな灯が生き生きと熱を発して燃えるように。そしてその灯を《可愛い》と表現するのがスピッツだ。たとえば「結局人間はひとりだ」などと嘯く孤独の中で、思いがけず失いたくないと思う人と出会う。すると突然人生が「可愛く」瞬き出す。この曲はその「希望」を歌う。《幸せの意味にたどり着きたいんだ》というこのメロディ、この切なさは紛れもなくラブソング。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より)
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