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ユニット名や過去作とリンクした文字で構成された「雪の結晶」を意味するタイトルは、まさに今作の象徴と言えるだろう。熱で溶けてしまうように繊細で、刹那の美しさを帯びた情感豊かな楽曲は、リスナーの「生きづらさ」や「孤独」に寄り添うというコンセプトを優美に実現している。まふまふ、Aiobahn、シャノン、みきとP、Misumiなどのクリエイター陣が新録曲を書き下ろし、ネットカルチャーと密接な創造性の高い世界をJ-POP的サウンドデザインでアウトプットして、歌詞に綴られた心象風景を鮮やかに描き出す。それらをダイレクトに伝えるのがにんじん(Vo)の歌だ。ミニマルなアレンジでは消え入りそうなボーカルで聴き手の心に近づき、浮遊感のある音色ではソフトな歌唱で言葉を彩る。中でも彼女が作詞作曲した“眩しすぎた朝”の、大切な思い出へと馳せる温もりと切なさがない交ぜになった声は、光を蓄えた涙のようだ。全17曲で悲喜こもごもな感情を純度高く投影し、清らかな景色を作り出す。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年2月号より)
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