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現在東京、国立新美術館で開催中の『テート美術館 ─ YBA & BEYOND 世界を変えた90s 英国アート』の公式テーマソングとして書き下ろされた楽曲。90年代に興った「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」のムーブメントは、アートにおける既存の概念を覆す強烈なものだった。伝統や権力に収斂しない新たな波。Vaundyは、その新たなカルチャーが生まれる瞬間を“シンギュラリティ”と表現し、この曲に落とし込んだ。YBA時代の英国音楽と言えばロックがアシッドハウスやダンスカルチャーを貪欲にのみ込み、これまたセンセーショナルな「転換」を起こしていた時代。その音楽的ダイナミズムへの憧憬がこの曲のビビッドなファンクネスによく表れている。そしてYBAの作品たちと同じく、のちにただ懐古されるだけの作品になることを拒むような「特異性」がある。J-POPではあり得ないAメロやBメロの展開、からのサビの炸裂感。そんな独自のポップが今日本のメインストリームにあること自体、“シンギュラリティ”なのかも。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より)
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