YOASOBIとしてこれまで訪れたことのない地へ、全40公演という自身最多の公演数で巡る全国ホールツアー「WANDARA」は、今年7月、熊本から始まった。全14道県、15会場で、各会場2公演から4公演が組まれたツアー。そこには明確な意図がある。ワンナイトスタンドですぐに次の会場へと移動するのではなく、その地の風土に触れ、地産の名品、名物を知る時間を大切にしながら、YOASOBI自らが、これまで出会えていなかったファンに会いに行くということ。加えて言えば、2024年のZeppツアーは例外として、今回のキャパでのホールツアーは現在のYOASOBIとしてはかなり親密な距離感であること。さらに言えば、本ツアーは昨年末から今年2月にかけてのアジアツアー、そして6月のロンドン、ウェンブリー・アリーナでの2デイズを成功に収めての凱旋的な意味合いも感じさせ、図らずもYOASOBIにとっての「日本再発見」というテーマも重なっていること。様々な意味において重要な意味を持つツアーである。筆者は全40公演のうち34公演目にあたる福島公演の2日目を観ることができた。ライブから数日が経過した今も、あの会場のあたたかさ、混じり気のない熱狂、そしてそこに芽生えたであろうYOASOBIのふたりの音楽への新たな衝動がリアルに思い起こされる。
文=杉浦美恵 撮影=Tatsuki Nakata
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より抜粋)
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