マカロニえんぴつ、メジャー3作目のアルバムは『physical mind』と名付けられた。「フィジカル」と「マインド」が直結しているこの感じは、このアルバムをとても的確に言い表しているし、ひいては、メジャーデビュー10周年を迎え、横浜スタジアムでのワンマンライブも見事成功させた今のバンドを象徴する言葉だと思う。マカロニえんぴつが音楽を鳴らすモチベーションにはずっと、先達に対する憧れや、過去に対する後悔や、理想と現実のギャップがあった。だからはっとりはずっと取り返しのつかない過去や、そうありたいと願う未来を歌い続けてきた。だが、スタジアムで彼らの目の前に広がった、3万人のファンが織りなす景色は、そんなものを凌駕する「今」の実感で満ちていた。今この場所に立ってバンドをやっているという事実を全力で肯定するだけのパワーが、あの2日間にはあった。そのパワーと勢いを信じて作られたのが、この『physical mind』だ。バンドのアンサンブルを絶対的に信頼した結果としてのシンプルに研ぎ澄まされたサウンドと、今を受け止めることで前を向く歌詞。その手触りは、これまでのマカロニえんぴつのアルバムとはまったく違う。聴いていて手応えしか感じないし、心から嬉しくなる。それはメンバーも同じだったようで、今回のインタビューの発言も、いつになく力強く確信的だった。やったぜマカロニえんぴつ。間違いなく、これは最高傑作だ。お客さんがすごく頼りになる。
だから「俺の孤独をすくい上げてくれますか」って、試していいのかもって
インタビュー=小川智宏 撮影=フジイセイヤ(W)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より抜粋)
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