今年の6月号の細美武士インタビューは衝撃的な内容だった。ELLEGARDENはこれから最終章を飾る最高傑作アルバムを作り上げる、と宣言したのだ。何年かかるかわからない、でも必ずやり遂げる、自分のここからの人生はそこに向かって行く、とはっきりと明言したのだ。俺、世界一の強烈なELLEGARDENのファンで。
その俺がこれなら許すって思った
それは、ラストアルバムとかエルレがそのあと終わってしまうとか、そういう話ではまったくない。the HIATUSやMONOEYESの活動をやめてしまうとかいう話でもまったくない。ただひたすら、自分の人生の行き先をその一点に絞り込んで、それを実現することに己のすべてを懸けて挑むという覚悟の言葉だ。
インディーから始まったELLEGARDENの物語、活動休止を経て復活を遂げた第二の物語、そしてここからまた大きな物語が始まる。いや、始まった。ここにその新たな章の幕を開ける新たな曲が生まれたのだ。
ELLEGARDENの新曲“カーマイン”はアニメ『ONE PIECE』のOP主題歌で、ELLEGARDENの初めての書き下ろしタイアップ曲だ。ELLEGARDENがタイアップをやるなんて!と発表タイミングでは一部に騒がれたりしていたが、『ONE PIECE』だぜ? やるでしょうそりゃ。細美の『ONE PIECE』への思い入れを知っていればあまりにも自然というか、絶好の機会が来た!と捉えるのが当たり前。
そしてその新曲“カーマイン”だが、ELLEGARDENの物語の新章を告げる曲としても、これまでの楽曲のクオリティを凌駕する最強曲としても、エルレの真価を今の時代に叩きつける最新曲としても、そしてアニメ『ONE PIECE』にジャストフィットな主題歌としても、完璧だ。
ELLEGARDENのパワーとエモーションとメッセージがソリッドに削ぎ落とされた楽曲に凝縮され、細美武士の日本語の歌詞はストレートなメッセージと文学的な心象風景を見事に融合させている。また曲の構成やアレンジの細部が今の時代のリスナーの耳にストレートに飛び込むようにアップデートされているのも見事だと思う。《立ち止まるその足を踏み出そうぜ》《誓いと引き換えるよ/僕らが見ていた夢》という直球の強いメッセージがMAXで聴く者に届く。
この輝ける第一弾楽曲の誕生を、細美、生形、高橋、高田の4人全員で語ってもらった。
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=岡田貴之
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より抜粋)
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