COSMO STAGEは一転して、穏やかな空気に。清水美和子(Vo&G)のソロ・プロジェクト、Predawnの登場だ。アップライト・ベースとドラムを従えて、SEもなく静かにステージに現れ、「Predawnです」と一言、そして“Little Green”を奏で始める。すると途端に、ふわっとした、それでいて圧倒的な存在感に、そこらじゅうが支配されていく。続いては軽やかな“Suddenly”。演奏が終わるたびに、あたたかな拍手が巻き起こる。“Tunnel Light”ではアップライト・ベースが弓で弾かれ、重厚な響きで柔らかな歌声を後押し。その後は、“Milky Way”と“Lullaby from Street Lights”と、アコギと歌だけのシンプルな、それゆえに彼女の魅力が存分に伝わる楽曲を畳みかけていく。じっくりと声を味わうように聴き入るオーディエンス。そしてMCでは、「子守唄みたいな曲を2曲やったんですけど、みなさん今日は寝ないんですね(笑)」と、オールナイトで年を越すオーディエンスをほのぼのと笑わせる。「寝ないなりにいい夜を過ごしてください」と言ってから披露したのは “Free Ride”。優しい歌声とまろやかなメロディに、本当に眠りそうになってしまうほど、心身がほぐされていく。そのままするりと“In the Wee Small Hour of the Morning”をスタート。とても上質な音楽なんだけど、そこにあることがあまりにも自然で、幸せな気持ちになる。COSMO STAGEの外からは喧騒が聞こえてくる中、それでも凛と歌い続けるその姿には、柔らかな音像の奥に秘めた強い信念を感じた。「いつもはMCでぺちゃくちゃ喋るんですけど、来年は……えっと、何を言おうとしたのか忘れたので」と、苦笑いを見せる愛らしい一幕も。ラストは“Sheep & Tear”。あたたかな余韻と、「ありがとうございます。よいお年を!」という一言を残して、彼女はステージを降りていった。(高橋美穂)