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早くも満員のオーディエンスに温かい声援で迎えられたLOST IN TIME。1曲目の“誰かはいらない”からダイナミックなギター・ロックをシリアスに鳴らして「僕と君」だけの世界を会場中に届け切った。「2008年は終わりですが、何かが始まる気がするよ!」という実感を、海北(Vo&B)はたった1曲で掴めたんだろう。次々とエネルギッシュな演奏と歌で、熱い想いをフロアにたぎらせていく。この大きな会場を頼もしく揺さぶる彼らの姿は「下北系」だとか「青春ギター・ロック」といった結成当初のカテゴライズを超えて多くの人に確実に支持されていることを証明する光景だった。しかし歌そのものやスタイルは何も変わっていない。彼らの信じたやり方で、着実にここまで歩んできたのだ。そして「この曲を出せたことがLOST IN TIMEの希望になりました」と今年の11月にリリースされたシングル曲“希望”を。力強い音とフロアに掲げられた多くの手で一緒に希望を掴む光景はとても眩しいものだった。最後はエモーショナルなスロウ・ナンバー“昨日の事”。海北の絶唱が響き、お客さんが厚い信頼を寄せるような拍手でそれを受け止めた。(上野三樹)