最初に登場した今西（B）はペコリとお辞儀をし、第一声「拍手が小さくないですか？」。そしてKYG（Vo&G）の「あけましておめでとう」の挨拶のあと、きたきたきたー！　のっけから“ULTRAMAGNETICSTANS”。♪こんなんありえなくない？　こんなん見たことねえよ！　やばいやばいスタンまじやばーい！　彼らのマニフェストともいうべきナンバーだ。「水星人のみなさん、大殺界おめでとうございます」というMCに続いて弾き出されるご機嫌なポップ・チューン“Dolphin Dance”、このソリッドなダンス・ナンバーを聞いていると、世界のネガポジが反転して、めったにこない大殺界もめでたい気がしてしまうから不思議だ。美辞麗句も社交辞令も排除し、剥き出しの真実をごりっと叩き出した彼らの詞や言葉は時にシニカルにも聞こえるが、ここにロックの強烈な力が付加するととんでもないポジティヴィティへと転じるから笑いがとまらない！　さらに“Love　You”“愛に逆らうな”“THE　SONG”“I　Know”といったキラー・チューンを散弾銃のようにぶちかまし、晴れやかな正月気分から我々を完全に覚醒させた。中でも中盤で披露した剥き出しのダンス・チューンといったら！　まるで地下室でレジスタンスがパーティをやっているような、危うさと享楽と覚醒感がないまぜになったむちゃくちゃカッコいい！　07年のロックシーンもこの調子で切り裂いてくれ！（井上貴子）