メニュー
CDJ幕張2日目もそろそろ中盤戦です! 可憐に踊りながらステージに登場したのは、新世代の歌姫、一十三十一。幼少期に世界各国を旅してまわり、短大卒業後はNYで音楽活動をしていたというバックグラウンドを持ち、枠にとらわれない感性でオリジナルな音楽を生み出し続けてきた彼女。人と人とがつながるための世界共通言語として音楽を選んだ、というのはこちらのうがった見方かもしれないが、会場が本当の意味でひとつになるような美しいライヴを届けてくれた。本日のバックバンドは、ウッドベース、サックス、ドラム、キーボードでギターレスという変則的な編成。大貫妙子や山下達郎など、日本のポップ・ミュージックを形作ったアーティストたちの音楽を彷彿とさせる、美しくキャッチーな楽曲群を、丁寧に歌い上げていく。生バンドのグルーヴも心地よいが、やはりシビれるのは彼女自身の「うた」だ。声質は可愛らしいのに底知れない力強さを持ち、かすかにフラットしながら搾り出される「うた」は、宇宙とつながっているようなスケール感を持って胸に迫る。なんだか崇高な気持ちになってしまったところで、ラスト曲。“煙色の恋人達”をうたいあげてステージを去っていった。朝から男汁満載だったCOSMO STAGEの一服の清涼剤でした。(上田智子)