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今年2年ぶりに活動を再開、シーンに帰ってきたハードコア・フリージャズ・プログレお祭り集団NATSUMEN。ロッキング・オンのフェスに登場するのも、2006年のROCK IN JAPAN以来となる。というわけで期待値も当然高いわけだけれども、やっぱり、フェスにはこういう化け物みたいなバンドが必要である。AxSxE以下7人編成で登場するやいなや、“No End”から怒涛のセットに突入。相変わらず濃密なアンサンブルから繰り出される、神がかり的なグルーヴに、身体中の産毛が逆立つ。一瞬先すら読めない、めくるめく展開に翻弄される。マーズ・ヴォルタとモグワイがセッションしたらこんな感じなんだろうか。そして何より、目を離せないのはAxSxEのギター・プレイ。静から動へ、せせらぎから激流へ、ステージ上を暴れ回りながらギアを自在に入れ替え、そのたびに景色を塗り替えていく。10分超えの楽曲でも、感覚としてはあっという間。それぐらいアグレッシヴで、攻撃的なのだ。ラストは大名曲“Natsu No Mujina”、わずか30分、短すぎるセットだったが、演奏を終えたAxSxEはフラフラだった。圧巻、である。(小川智宏)