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 スタート前から場内は満杯! 今年、映画化もされた漫画『デトロイトメタルシティ』を通じてカジヒデキを知ったお客さん達も多数訪れ、心待ちにしている様子であった。そんな期待感に満ちた場内に半ズボン、シャツ、ネクタイという衣装でついに登場したカジヒデキ。まず披露されたのは映画『デトロイトメタルシティ』の主題歌“甘い恋人”。とろけんばかりにスウィートな歌詞を聴いて最初は笑っていたお客さんが、みるみる内にこの曲のメロディとハーモニーの美しさに魅せられてゆく様は、非常に感動的であった。最強のポップ・ソング・ライター、カジヒデキのパワーを、若い音楽ファンも心底実感したことであろう。やった!

2曲目はカジヒデキのMC曰く「お友達のサジヒデキくんのために書いた曲」だという“サリー・マイ・ラブ”。これも映画『デトロイトメタルシティ』の挿入歌。CDJのお客さんに最も馴染み深いはずのナンバーを立て続けにサーヴィスし、それ以降は、魅力が大炸裂していった。3曲目では “This is still OK”が飛び出し、長年のファンだと思われるファンから喜びのどよめきが起こる。4曲目は80年代のヒット・チューンでヘアカット100のカヴァー “Favourite shirts”。その他、今年リリースされた最新アルバムからの“Too much too young”や、これも比較的最近の曲“Typical me , Typical you”。そして、ラスト・チューンはカジヒデキを語る上で欠かせない超名曲“La boum”。10年以上経っても色あせていない鮮やかな輝きに、胸が熱くなった。(田中大)