茨城県出身、82年生まれのシンガー・ソングライター、間々田優の登場である。まずはアコースティック・ギターとつぶやくような歌声で“3つ”を披露し、ディープな独自世界をフロアにばら撒くような幕開け。深い海の底を漂うような内面を吐き出しながら、多面的な魅力に満ちた歌声でオーディエンスをひきつけていく。彼女のスタイルは独特だ。ギターもコードをジャカジャカ弾いてるのではなく、歌のフレーズの合間にポロンと差し込んで行くようなやり方。ベースやドラムといったバック・バンドはいるものの常にミニマムな演奏で、あくまで「声」中心。というかむしろ「念」のようなものが全てを支配していると言ってもいいほど。「3時と言えばおやつの時間ですが、間食的な感じで見ていただけると大変痛い目に合いますので、みなさん気をつけていただければと思います」といったMCも独特。可愛いらしい声で歌ってるかなと思えば、すぐに噛みつかれるような獰猛さがスリリング。白っぽいワンピースもサラサラのボブもキュートだが、胸をギュッと締め付けられるほどリアルな孤独や実らない恋心を切々と歌い上げ、お客さんをたちまち虜に。強烈インパクトの初登場だった。(上野三樹)
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