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谷川(Vo&G)が奏でるギターに乗せた歌で瑞々しく始まり、やがて他のメンバーのパートも合流。そして、1曲目“Quarter”で、すっかり我々のハートはUNCHAINに奪われてしまった。メンバー同士のフレーズが緊密に結合しながら、響き渡る音、言葉の全てが、まるで意思を持った生き物のように温かく躍動していったのであった。2曲目“Show Me Your Height”では、極上のファンキー・ビートがビシバシと打ち込まれていった。UNCHAINは、まさしく音楽の喜びの申し子のようなバンドであった。
「今年の鬱憤を全部晴らしていってくれたらいいなと思います」という谷川のMCを経て、来年1月20日にリリースされる“The World Is Yours”。グングンと上昇するように熱量と開放感を帯びるサウンド、谷川の歌声に奥行きと豊かなハーモニーを与える佐藤(G&Cho)と谷(B&Cho)のコーラス、多彩なビートを繰り出してドラマ性を曲に注入する吉田(Dr)。あらゆる音の響きにワクワクさせられっ放しだった。
野趣に富んだダンサブルなアレンジで大いに踊らせたザ・クラッシュのカヴァー“Train In Vain”、光に溢れたメロディを天井知らずに放出した“make it glow”という素敵な2連発を経てラスト・チューン“Gravity”へ。この曲はスピード感で巻き込みながら、アグレッシヴな刺激を全開で突きつけた。
叙情性、破壊力、ダンス・パワーの三拍子を全篇で我々に体感させ、彼らは去っていった。この感じだと来年のUNCHAINは、さらに凄いことになりそうだ。(田中大)