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さっきまでの歓喜のカタマリのような空気とは一転、薄暗いステージに轟々と渦巻くフィードバック・ノイズ。それが気合い一閃、“チェンジアップ”の切れ味鋭いキメへと姿を変える! 激情と静寂が瞬時に切り替わるcinema staffの楽曲のスリリングな展開が、MOON STAGEのフロアに独特の緊迫感を生んでいく。そんな4人のサウンドは続く“AMK HOLLIC”でさらに鋭利さを増し、飯田(G・Vo)の歌はますます艶やかに広がっていく。「名古屋じゃなくて岐阜県から来ましたcinema staffです! 岐阜県知らない人はWikipediaで調べてください!(笑)」と三島。「“君になりたい”という曲です」と紹介された新曲は、3拍子系のスロウで切実なリズムが、メランコリックな感情を高ぶらせていく名曲。そしてそのまま“優しくしないで”へ。4つ打ちのダンサブルなパートの狭間に出現する、静かな波のようなギターの響き。それを突き破る三島のスクリーム! ロックはどこまで戦慄を描けるか?をステージの上で追究するような4人のプレイを、誰もが熱く見守っている。最後は“KARAKURI in the skywalkers”。《大人には見えやしねーよ》とこの上なくメロディアスに歌う飯田の声が、いつまでも胸に残った。(高橋智樹)