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暗闇の中、ステージに現れた澤竜次(G)、宮田岳(B)、岡本啓佑(Dr)の三人による轟音のセッションからスタートした黒猫チェルシー! その音像に刻まれた彼らの赤黒い狂気がのっけからMOON STAGEを包み込まんとばかりに暴れ回る。そして、トレードマークの学ランに身を包んだ渡辺大知(Vo)がいよいよ登場! そのままマイクスタンドを振り上げながら“ベリーゲリーギャング”、ブルースハープを片手に“オンボロな紙のはさみ”と、畳み掛けるようにその声を吐き出していく。続いて宮田のとぐろを巻いてうなり声をあげるかのような重低ベースが炸裂する“ユメミルクソブクロ”から“オーガニック大陸”に突入。この時点でフロアの熱気は最高潮。「新曲をやります!」と言って披露された、まだ無題の新曲では、澤が恍惚とした表情を見せながら快楽度の高いギター・ソロを弾き倒し、続く最強のロックンロール・アンセム“廃人のロックンロール”では、大知が身を捩じらせ、しゃがみこみ、まるでのたうち回るように全身を使ったパフォーマンスを見せつける。“黒い奴ら”の岡本の機関銃のようなドラミングがフロアに狂騒を巻き起こし、ラストは「今年もありがとう! 来年もよろしくな!!」という挨拶から“嘘とドイツ兵”をプレイ。澤の殺気走る怒涛のギター・ソロを中心に、メンバー一丸となって最後まで堂々としたパフォーマンスを見せ付けて、大歓声に包まれるMOON STAGEを後にした。どこまでも正統なロックンロールの爆音を、誰にもできないような純度でぶちかましていった4匹の黒猫たち。これでまだ20歳だっていうんだから、日本のロックの未来は明るい。(前島耕)