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2日目MOON STAGEのトップバッターは、山梨発の4ピース=QWAI。CDJ初参戦である。荘厳な世界を感じさせるSEに乗って登場した4人。「はじめまして、QWAIです。やっと夢の舞台、COUNTDOWN JAPANに立つことにできました。今日は目一杯歌うので、どうかよろしく!」と挨拶すると、オープニング・チューン“ヒマワリ”に突入。ギター/ベース/ドラムが有機的に絡み合う色彩豊かなバンド・サウンドに乗って、大久保良一(Vo・G)のスモーキーなボーカルがどこまでも伸びていく。「幕張~!」とシャウトしたり人差し指を高く突き上げたり、随所でオーディエンスにアピールする大久保は、待ちに待ったこの日のステージを全身で楽しみ尽くしているかのようだ。続く“ラストサマー”では、激しいビートとリフが炸裂。“少年”では一転して、メランコリックなサウンドスケープが広がっていく。しかしどちらの曲にも共通しているのは、聴く者の胸をヒリヒリと焦がすようなエモーションが宿っていることだ。「2011年も残すところ59時間ぐらい。皆さん、やり残したことはないですか? 2011年は非常に暗いニュースがたくさん続いて。ここにいる皆も、大切な人を改めて大切と思ったり、隣にいる人がいつも当たり前にいるんだなって思わなくなったりした1年だったと思うけど。俺にもすごく大切な人がいて、その人への想いを歌にしました。今日このステージから、その人に届くように歌いたいと思います」と歌われた“最後の30分”。「出会い」と「別れ」が連続する人生の機微を丹念に綴った繊細なアルペジオと熱っぽい歌声は、MOON STAGEにいたオーディエンスの心をひとり残らず熱くさせたはずだ。ラストは“手紙”で再びアッパーに弾けてフィニッシュ。草花がぐんぐん枝葉を伸ばしていくような有機的なサウンドに導かれ、フロアの拳が次第に数を増していくさまは、本当に美しかった。2012年、ますます期待したいバンドの堂々たるCDJ初舞台である。(齋藤美穂)