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「みんなご飯食べた? Rie fuでもっとお腹いっぱいになって帰ってください」とライヴをスタートさせたのはRie fu。1曲目“London”のアコギサウンドが放たれるなり、異国の田園風景を思わせるような雄大な風が吹く。ロンドン留学や海外リリース経験のある彼女だけあって、歌われる英語詞もとても滑らか。優美で、穏やかで、透明で、一切のトゲやストレスを感じさせないサウンドが、乾いた喉を潤す水分のように、みるみる全身に沁みわたっていく。続く“Voice”では、ギターとキーボードを弾き分けながらアグレッシヴな音塊を叩きつけていくRie fu。「私のデビュー曲です」と披露された“decay”では、再びオーガニックな生命力と開放感を湛えた瑞々しいサウンドを伸び伸びと解き放ってくれた。MCでは、「今日は6時間前から会場に来てライヴを観ていました。このステージのトップバッター、QWAIのライヴも観ました」とサポートメンバーを務めるQWAIのフロントマン=大久保良一を紹介。さらに「今年はたくさんの絆が生まれた年だと思いますが、私も新曲を作りました。これは結婚する友達に向けて作った歌ですが、『あなたと出会えてよかった』という気持ちは、ここにいる皆さんにも共通する言葉だと思います」と続け、“For Your Wedding”へと流れる。Rie fuが紡ぐ流麗なピアノの旋律に乗せて、《二人が 愛を誓えば この日が スタートラインになる》と歌われるメッセージ。そこには、傷ついた心をひとつ残らずそっと包み込んでくれるような、大きな強さと優しさが宿っているように思えた。「最後に、すべての片思いの恋心に捧げるこの歌を聴いてください」とラストを飾ったのは“Romantic”。終始リラックスムードの中で放たれたキラキラと輝くサウンドに、1年分の垢がキレイに洗い流されたような心地がした、至福のアクトだった。(齋藤美穂)