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 フロア狭しと沸き上がるクラップが「イェイェイェー、COUNTDOWN JAPAN! FLYING KIDSです!」という浜崎貴司のコールで熱い歓声に変わる!……かつて浜崎が「MCU&浜崎貴司」名義でCDJ04/05に出演してくれたことはあるが、FLYING KIDSとしてはこれが初のCDJ登場! まずは今年リリースされたばかりの、再結成後2作目の最新アルバム『LIFE WORKS JOURNEY』のオープニング・ナンバー“JOY!”でグルーヴィーにキックオフすると、そこから今度は2ndシングル曲(1990年!)“我想うゆえに我あり”でMOON STAGEを一気に激ファンキーな空間へ塗り替えてみせる! さらに歓喜の果てへと駆け出すような“ディスカバリー”の軽快なビートと極彩色のコーラスでもって、でっかい祝祭の風景を描き出していく。
 フロアの熱気の手応えを確かめたところで、「みんな楽しんでるかい? 年忘れだよ年忘れ! みんな忘れて楽しんでくれよー!」と満足気に叫び上げる浜崎。そしてさらに“心は言葉につつまれて”で年末の幕張を真夏の草原のような開放感で満たしてみせる。「いつだって風の吹き抜ける場所を探すんだみんな! 一緒に歌おう!」という声とともに鳴り響いたイントロはもちろん“風の吹き抜ける場所へ”! 30分のアクトでもって、集まったすべての人の心も身体も高揚感一色に塗り替えようとするかのような、実にアグレッシヴなアクトだ。「今年はね、本当にいろんな大変なことがあったけど、来年もいろいろあるかもしれないけど、来年が幸せな年であるように、この曲を歌います」という言葉とともに浜崎が歌い始めたラスト・ナンバーはもちろん“幸せであるように”! 《幸せであるように心で祈ってる》のフレーズとともに、フロア一面のハンドウェーブが巻き起こる……「ありがとうみんな! 愛してるよみんな! 最後まで楽しい夜を!」と浜崎。日本随一のファンク・バンドとしてのアイデンティティと、90年代以降の日本ロック・シーンを最高の歌で揺さぶってきたグッド・ソング・メイカーとしての輝きが、ここMOON STAGEで交差した、奇跡のように幸福なひとときだった。(高橋智樹)