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BEAT CRUSADERS散開後、他者のプロデュ―ス・ワークやMONOBRIGHT加入など、積極的な動きを見せてきたヒダカトオル。今日は5人編成というバンドを引きつれて(後のMCで話したところによると、主に地元・千葉県出身のミュージシャンで固めたそうな)登場するや、1曲目はいきなりビークルの人気曲“BE MY WIFE”。オリジナル・ヴァージョン仕様で、今は亡きthai君が弾いていたチ―プなシンセ音も完全再現されており、のっけからほろっとさせるところも。曲が終わったところで「どーも、トオルちゃんでーす。新年おめでとうございまーす。」とボケをかますや、メンバーから「まだ、開けてないよ」「絶賛、カウントダウン中だよ」と突っ込まれるなど、グダグダな展開も相変わらず。続いて演奏された曲は、イントロが鳴った瞬間に場内あちこちから思わず歓声があがるビークル・ナンバー“CUM ON FEEL THE NOIZE”そして“DAY AFTER DAY”。 その後飛び出した新曲“TALKIN' 'BOUT LIFE TIME”はタテノリのビート感をさらに強化させたナンバーで、彼の今後の音楽性がビークルをより発展させたものになるであろうことを予測させてくれる。MCではシリアスな話になる場面も。「ミュージシャンとしては、今後も東北を支援していきたいと思います。(拍手が沸くと、それを敢えて遮り)ちょっと待って。一緒にしよう。一緒に支援していきましょう。(さらに大きな拍手が沸くと、今度は“しめしめ”という顔で)じゃ、早速皆さんに売りつけたいものがあります~」てな調子でグッズの説明に入っていくのだが、その際、きちんと東北の海岸エリアにライヴハウスを作り、その運営を支援していくための計画など、起案する側としての責任をはっきり示した説明はとても頼もしかったし、彼の音楽に対する誠意が端的に現れていたのも確かだった。オーディエンスが納得してくれたであろう様子をみるや「分かってくれた? じゃ、そんなみんなに一足早いお年玉を。スぺシャル・ゲストを呼び込みます。LOW IQ 01!」と考え抜かれた粋な流れでゲストを招きいれ、クラッシュのカヴァー“JANIE JONES”をデュエットで歌う。そして最後は「thaiくんのために歌ってください。“ISOTONIC”」とビークル・インディーズ時代の曲で締める構成。新曲から懐かしい曲まで濃厚な40分間はあっという間で、まだまだ周囲に尻尾を掴ませない、縦横無尽の時間軸で生きるタフさ、そして仕事人ぶりは2012年もまだまだ加速していくであろうことだけは、よ~くわかった気が。最後は「メリー・クリスマス!」という一言で締め。(小池清彦)