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「俺たちのこと観に来てくれてどうもありがとう! ご存知の方もいると思うんですけど、Good Dog Happy Menとして最後に出てから、3年ぶりのこのステージです。いろんな人がね、『おかえり』とか『何やってんだ』とか言ってくれたけど……万感の想いで、ひとことだけ言わせてください。COUNTDOWN JAPAN、ただいま!」。門田匡陽は静かに、しかし力強い声でそう言った。かつてGood Dog Happy MenとしてCOUNTDOWN JAPANのMOON STAGEに立った門田匡陽が、金戸覚(B・Cho)、高野勲(Key・Cho)、水野雅昭(Dr・Cho/SPANK PAGE)、河相巧矢(G・Cho)という錚々たるメンバーを擁し、新プロジェクト=「門田匡陽 with CalmCalm」としていよいよCDJに凱旋!
 サウンド・チェックから「門田匡陽 with CalmCalmです、よろしく」という門田の静かな声をきっかけに“埋立地”のメロウなアルペジオへ流れ込み、そこから真っ白に噴き上がる音のスペクタクルへ――ポスト・ロック的なロックの解体・再構築のプロセスを、門田独自のプログラムに従って行ったような、エモーショナルで冷徹でマジカルでダイナミックな音世界。“Dear My Teacher”のドリーミーなサウンドも、エネルギッシュなアンサンブルと鋭利な言葉のコントラストが不穏な輝きを放つ“hostia”も、鮮烈なイマジネーションとシビアな批評精神でもって時代を射抜くロック・アーティストとしての信念を色濃く滲ませるものだ。そして、その意志ゆえに門田自身が新たな表現のフォーマットを必要としたということが、“Blue Moon Shadow”“ドーナツ”といった楽曲の、極限までソリッドかつ艶やかに磨き上げられたアンサンブルからも窺えた。「最後の曲です!」という門田のコールから、ラストは一転して衝動炸裂のロックンロール“後夜祭”でMOON STAGEを赤黒く染め上げて終了! ロックを、音楽を新たな次元へと押し上げようと自らを研鑽する門田のひたむきな想いが、さらに強く息づいている……そんな実感が、熱い余韻として心に残った。(高橋智樹)