


レーザービームが場内を飛び交った“世界平和”では、シリアスで批評性に富んだ切れ味の鋭い言葉がEARTH STAGEを制圧。さらに「新曲です」と披露された“Love the warz”でも、ディープなR&Bサウンドに乗って「ラブandピース」「美しい世界」「幸福な世代」などのリリックが矢継ぎ早に放たれ、激情ほとばしる鍵盤の音色がスリリングな光景を描いていく。ドラムとベースが不在という特異なバンド編成にも関わらず、凄まじい熱量で鮮やかな色彩を描いていく強靭なバンド・サウンドには驚かされるばかりだ。さらにシェイクスピア、村上春樹、北野武などの「生と死」にまつわる名言がステージ後方のLEDに表示された後は、中島真一(G)の清冽なギター・イントロから“不死鳥”へ。フロア前方からシャボン玉が発射され、不穏な空気に満ちていたEARTH STAGEは一転してファンタジックなムードに包まれる。さらにキラキラと美しい情景が描かれた“幻の命”を経て、「男子も女子も大きい声で歌ってくれたら嬉しいです!」とラストを飾ったのは“インスタントラジオ”! レーザー光線とシャボン玉がこれでもかと放たれて、歓声/ハイ・ジャンプ/オイ・コールが入り乱れるEARTH STAGEは早くもカウントダウンの瞬間のような祝祭空間へと達してしまった。深いメッセージ性と広くリスナーにアピールする音楽性の豊かさは勿論のこと、その目を見張るような演出力も含めて、オーディエンスを1人残らず「セカオワ・ワールド」へと連れ去ってしまった彼ら。バンドの破格のポテンシャルを痛感させる、堂々たるアクトだった。(齋藤美穂)

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