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最新作『告白』のオープニング・ナンバー“8cmのハイヒール”でしっとりと始まったライヴ。そこからハードなロックンロール・チューン“風吹けば恋”へと一気にシフトを上げ、『告白』で到達した奥深い表現力と世界観を存分に見せつける“海から出た魚”で成長ぶりをアピールする。もちろん、“恋の煙”や“シャングリラ”できっちり盛り上げることも忘れないのだが、今日のセットリストには“ハナノユメ”も“とび魚のバタフライ”もない。昨年の同じGRASS STAGEではヒット曲・人気曲満載のサービス精神旺盛なセットだったが、今年のチャットモンチーは少し違う。“惚たる蛍”や“バスロマンス”のようなメロウな楽曲を織り交ぜつつ、“Last Love Letter”や“染まるよ”といった楽曲であくまでいまのモードをプレゼンテーションする内容になっているところに、彼女たちの自信と矜持が垣間見える。ラストも『告白』同様“やさしさ”。今回が4回目の出演、久美子のMCで言っていたが、チャットモンチーはこのひたちなかに成長の跡を刻んできた。そんな彼女たちが演奏しているあいだに、ぐずついていた空が晴れ渡ってきたのも何かの因果。いよいよ、夏フェスらしくなってきた。(小川智宏)