いよいよここGRASS STAGEも、残すところあと2組! 麦藁帽子(久美子)、ピンクのTシャツ(絵莉子)、蝶ネクタイ(晃子)という出で立ちで、夕闇迫るGRASS STAGEに登場し、大きく手を振る絵莉子。そして1曲目はなんと、3人渾身のヘヴィー・バラード“世界が終わる夜に”。「アッパーな祝祭空間としてのロック・フェス」という観念にとらわれず、5万人のオーディエンスとがっちりギアを合わせる!という意志をいきなり提示してみせるチャットの3人。当然5万人のオーディエンスは、そんな彼女たちのロックのエッジ感を全身で余すところなく謳歌している。さらに“Last Love Letter”の鋭利なベース・フレーズ! “愛捨てた”の3人の強靭なコーラス・ワーク&夜空を突き抜けて飛ぶ絵莉子の絶唱! B面集アルバム『表情〈Coupling Collection〉』とSXSW含むアメリカ・ツアー、さらに『顔 to 顔 Tour』……と自らのロックをシビアに鍛え上げてきた彼女たち。誰もが愛するアンセム=“シャングリラ”も、“風吹けば恋”の疾走ビートも、ギミックでも何でもなく、彼女たち自身のリアルな「自然体」であることがよくわかる。そんなアクトだった。 「10月に新曲出します!」といって、コミカル&ハード・エッジなロックンロールを鳴らした3人。そして、“とび魚のバタフライ”で絵莉子の「絶唱」とでも呼ぶべきヴォーカリゼーションを目の当たりにして、思わず戦慄した。「私は、橋に本と書いて橋本です!」という自己紹介MCはほんの愛嬌。チャットモンチーのロックのスケール感と表現力は、まだまだ底知れない飛躍力を持っているのだ。そして……いよいよ3日間のヘッドライナー=YUKIが登場!(高橋智樹)
チャットモンチー のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ