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石井卓(Vo/G)、choro(G)、サトウヒロユキ(B)がチューニングをしている間、青木奈菜子(Dr)はSEに合わせて楽しそうにドラムを軽く叩いていたが、やがて3人が振り返り、スタンバイ完了であることを知ると、重いビートでステージを揺らし始めた。そして、始まった1曲目“シナリオ”で、一気にJeeptaの世界に染め上げられたウイング・テント。2本のギター、ベース、ドラムというオーソドックスなバンド編成ながら、奥行き深いドラマチックさと、オリジナリティ溢れるサウンドを怖いくらいに炸裂させてゆく様が、実にカッコ良かった。次の曲でも猛烈なダンス・フロアを作ってから、MCタイム。「このテントを蒸し風呂のようにして、ロック・イン・ジャパンの10周年に素晴らしい一点を作りたいと思います」という石井の言葉を経て突入した中盤以降も、彼らのオリジナリティが満開となった。何処か和テイストを思わせるフレーズを仄かに香らせた“日々無情”“心”が、フロアをさらに熱いエネルギーで満たしてゆく。甘酸っぱいメロディを躍動感たっぷりに突きつけた“human”、そして最後の曲“リコール”で凄まじい盛り上がりへと到達! 興奮した表情で拍手を贈るお客さんたちに手を振りながらステージを去る4人の顔は、清々しい満足感に満ちていた。(田中大)