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もう、サウンドチェック中から異常に高性能でスケールの大きいセッションが繰り広げられているわけですよ。ブルージーで、グルーヴィで。そんなハイクオリティのバンド・サウンドに天性のロック・シンガーである越智志帆の声が加わるのだから、それはとんでもないものになるに決まっている。しかし、そのとんでもなさは何も新奇なものではない。ファンクやソウルに根ざしたオーセンティックなロックが、ROCK IN JAPAN初登場でだだっ広いフィールドを人で埋め尽くしているのだ。すごいだろう。それに実際、これぐらい大きなステージじゃないとSuperflyのロックのすべてを理解することはできない。素晴らしいロックはそれを受け取るオーディエンスがデカければデカいほどその力を発揮するが、Superflyのロックはまさにそういうものだからだ。今日のセットリストも“Hi-Five”を皮切りに全8曲中、7曲がシングル。志帆の目は、完全に大きなオーディエンスに向けられている。MCも、曲間のコール&レスポンスも、曲紹介も、自分はロックで目の前にいる万単位の人とつながれるんだという自信をうかがわせる。そんなこと、40年前ならいざ知らず、今も可能なのか? そんなチンケな問いかけを吹っ飛ばすほどパワフルで確信に満ちたパフォーマンスには、カーティス・メイフィールドもジャニス・ジョップリンも頭を垂れるに違いない。(小川智宏)