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ステージに登場した工藤(Vo/G)、大森(B)、高橋(Dr)が互いに握手を交わして、1曲目“ガールズシネマエンド”がスタート、歯切れよくビートを放出しつつも、甘酸っぱいメロディを丁寧に広げてゆく様が心地よい。何処かサイケデリックな響きを帯びながら、雄大なスケールで展開していった2曲目“夢虫”で、お客さんたちをさらにうっとり魅了して、MCタイムへ。「ロック・イン・ジャパンは初めてなんですけど、とても楽しみにしていました」と工藤が短めに挨拶をすると、すぐに演奏が再開された。3ピース編成であり、アレンジやステージングも含めて、トリッキーな要素は特に盛り込んでいないAny。派手なインパクトで迫ることなく、楽曲のメロディの良さと工藤の心地よい歌声をじっくりと届けるステージであった。 「ラストです。外はちょっと雨が降っているんですかね? 優しい雨の曲を聴いてください」と工藤が紹介して始まった“カナリア”も、メロディの美しさが存分に煌いた。「躍動感に満ちた叙情的サウンド」とも言うべきこの曲。聴き惚れながらも、静かに身体を揺らしているお客さんたちの幸福そうな姿が、実に印象的であった。(田中大)