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ロック・イン・ジャパンに吹いた新しい色、Dry&Heavy!
レイク・ステージ 14:25

8/2 17:15 UP

DRY&HEAVYが、遂にロック・イン・ジャパンに登場してくれることになった。海外のフェスやツアーを多く経験し高い評価を獲得していて、国内の実に多くのアーティストからも多大なリスペクトを集める――そんなバンドがこのロック・イン・ジャパンにもたらしてくれるものは本当に大きいのである。ただ、初登場ということだけに、レイク・ステージは、彼らの登場を待ち構えるというより、「いったいどんな音を鳴らすんだろう?」という期待が満ちている雰囲気。しかし、彼らにとってその雰囲気がプレッシャーになるなんていうことはないのだろう。海外でライヴを重ねるというのは、つまりはそういう雰囲気のライヴを重ねるということなのだから。
1曲目はインストゥルメンタル“リバース・アゲイン”。浮遊感溢れるダブ・サウンドに、吸い寄せられるようにじわじわとお客さんが会場に集まってくる。嬉しくなってしまった。ダブ・サウンド、そしてDRY&HEAVYのサウンドの素晴らしさを思う。初めてのお客さんを優しく未体験ゾーンに引きこんでいく、その魅力はやはり凄まじいものがある。
“リバース・アゲイン”が終わると、ヴォーカルのリクル・マイが満面の笑みで手を振りながら登場した。インストでダブに馴染んだレイク・ステージを、さらに伸びやかなのに強靭なヴォーカルで包み込んでしまうのだ。新曲、その名は“フロア・ジャック”。
リクル・マイが曲名を告げると歓声が起こる。“ニュークリエイション”。サウンドもヴォーカルも、それぞれがそれぞれにあくまで自由に漂っている。だからこそ生まれる、緩急自在の美しい「リズム」。「カモン!」とリクル・マイが煽れば、一挙に手が上がる。
ここで、ヴォーカルがリクル・マイから井上青にバトンタッチ。井上は一言、「じゃあ僕も新曲を(笑)」と言って始まったのは“ラックス・スーパーリッジ”。これもまた素晴らしい新曲。あくまで僕の耳での聴き取りなんで確かではないのだが、「peace in your mind,tea in your body」というリリックが僕の胸に届いた。僕の胸だけでなく、「2003年の世界」に届くといいなとすら思える、素晴らしいピースを感じさせてくれる新曲でした。
さて、井上のMCで衝撃の事実が発覚。「さっき、smorgasのベースの河辺真くんと小学校の時の同級生だったことが判明しました(笑)」。同じレイク・ステージで共演して、そしてアーティスト・エリアで交流しているうちに判明したんだろうな。なんかとても嬉しい。井上も照れながら嬉しそうに言った。「smorgasにもう一度大きな拍手を!」。
ライヴ終盤では、アルバム『From Creation』の圧巻の終盤が現われた。ドアーズのカヴァー“ライダース・オン・ザ・ストーム”は最早ビッグ・マジック。嵐、凪、荒波、小波がいれかわりたちかわり目の前に現われてくるような圧倒的な音像だ。打って変わってライト・トラック”は、あくまでのんびりと、ライトに。曲の中の緩急、そして曲の流れの緩急、どれもが素晴らしい。最終曲“ブライト・シャイニング・スター”はリクル・マイが再び登場し、伸びやかで甘い歌声で会場をしっかりと抱き締める。聴いていて意識が遠くなりそうだった。疲れてるからじゃなく、なんかとっても安心してしまったからだ。「これはダブのおとぎ話、ダブの子守唄だ」――そんなことを考えながら見た、会場でゆったりと身体を揺らすお客さんの顔は、間違いなく微笑みに満ちていたのだ。
彼らは、このロック・イン・ジャパンに間違いなく新しい色を付けてくれた。本当に、どうもありがとう! (柳憲一郎)


グラス・ステージとの間には、
1回100円の園内列車が運行しています。

DRY&HEAVYとMASTER LOWが
お目当てというご夫婦のお子さんはぐっすり。