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 遂にやってきた。ロック・フェスに出演することがすでに「事件」であるバンド、サザンオールスターズ。日本のポップ・ミュージックの最高峰が、ここロック・イン・ジャパンのステージに立つ瞬間だ。待ちきれないお客さんたちの拍手が鳴り止まないなか、ダンサーたちを従えて4人が登場。桑田佳祐は赤いシャツに赤いスパッツ! そして一曲目は、いきなり“チャコの海岸物語”!! さらに“フリフリ'65”に続く“マンピーのG★SPOT”では、桑田佳祐、ちょんまげヅラ装着&背中からスモーク噴射!! まったくもって、ぶっ飛んだ演出だ。もちろん、演奏も比類なくパワフルでゴージャス。ふと見回すと、4万5千人が揺れていた。なぜ彼らが何十年も音楽シーンのトップを走り続けてきたのか、この光景を見たら誰もが一瞬でわかるだろう。とにかくエンタテインメントとして究極なのだ。
そしてこの日の選曲もすごかった。MCを挟んで新曲“神の島遥か国”を披露するや、中盤からは日本人だったら誰もが知っているだろう超スタンダード・ナンバーを休むことなく連発。シート・ゾーンまでぎっしりと総立ちのグラス・ステージにはイントロのたびに歓声が沸き起こる。サザンの最も美味しいところを凝縮したようなセットリストにただただ圧倒され、続く新作シングル曲“BOHBO No.5”のテンションの高さに興奮してるうちに、あっという間に本編は終わった。
 アンコールでは「渋谷さんに、ロッキング・オンに捧げます」とレッド・ツェッペリンの“天国への階段”(!)を、(途中まで)完璧な演奏で熱唱。そしてとどめは“みんなのうた”で大団円! 演奏が終わっても、彼らがステージを去っても、花火が打ちあがり終わっても、彼らの音楽が残した余韻は、ずっと胸の内に刻まれて消えなかった。(柴那典)

1. チャコの海岸物語
2. フリフリ’65
3. マンピーのG★SPOT
4. 神の島遥か国
5. 愛と欲望の日々
6. 汚れた台所
7. ミス・ブランニュー・ディ
8. 夏をあきらめて
9. 真夏の果実
10. 希望の轍
11. HOTEL PACIFIC
12. 勝手にシンバッド
13. BOHBO No.5

EN-1 みんなのうた