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なんか妙に不思議な気持ちがする。なにしろステージにはコーネリアスこと小山田圭吾や音響エレクトロニカの奇人、フェネスをバックに、ピンクのTシャツに黒いスカーフを上品に巻いた坂本龍一が演奏しているのだ。ロックを謳歌した本フェスには、一見、高尚に思えるシチュエーションだが、それこそがフェスの醍醐味。本当にどんなスタイルも飲み込んでしまうのだ。前衛的マインドの持ったアーティストで構成されたアンサンブルの奏でる未知数の高いサウンドは、かつてグラス・ステージが味わったことない緊張感を漂わせる。しかし、『戦場のメリー・クリスマス』や『ラスト・エンペラー』の主題歌、YMOの“Behind The Mask”や“Tong Poo / 東風”などの代表曲を織り交ぜたセットは、決して人々を疎外するものではなく、逆に音楽の力、そしてフェスの無限な包容力を証明するものであった。ゲストの元ちとせと締め括った “死んだ女の子”が終わってからも、温かい声援は止むことなかった。(内田亮)


1. Behind the Mask
2. Merry Christmas Mr.Lawrence
3. Undercooled
4. Riot in Lagos
5. Rain (from The Last Emperor)
6. Coro
7. The End of Europe
8. Tong Poo
9. World Citizen
10. Dead Girl(死んだ女の子) w/元ちとせ