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頭脳警察。デビューアルバム、セカンドアルバムが歌詞の過激さゆえにどちらも発売禁止処分を受けた伝説の「反体制」バンド。そして「日本語でロックすること」の可能性をいち早く切り開いた、邦楽ロックの始祖。ROCK IN JAPANのステージに降り立った彼らは、結成40年を間近に控えてなお、不穏でソリッドなホンモノの殺気を放つ表現者だった。“指名手配された犯人は殺人許可証を持っていた”に続いて、伝説のアジテーション・ナンバー“銃をとれ!”、そして2008年の新曲“間際に放て”。曲と曲の間にあるはずの数十年のブランクを、常に「いま」と対決し続ける彼らのパンクスピリットが完璧に埋めている。切迫感と色気をたたえるPANTAのヴォーカルと、ドコドコと小気味よく鳴り響くTOSHIのパーカッション。そしてふたりを、PANTAを長年支えてきた4人のバンドメンバーの演奏ががっちりと支えている。そして世界を憂うフォークの名曲“さようなら世界夫人よ”に続いて歌われた“七月のムスターファ”は、米軍とひとりで戦った14歳の少年に捧げられた追悼歌だった。ラストは内田裕也のカバーでも有名な“コミック雑誌なんか要らない”。まじカッコ良かったです。リスペクト!(松村耕太朗)