NIKIIEのたおやかな風のような歌が吹き抜けた後のSEASIDE STAGEを、KING BROTHERSのマーヤLOVE＆シンノスケBOYs、そしてリンダdadaの3人＝N'夙川BOYSが再びギラギラでダンシングなロックンロールの坩堝に叩き込む！　まずは「リンダ（Vo・Dr）／マーヤ（Vo・G）／シンノスケ（G）」の編成で“プラネットマジック”の軽快なビートを叩き出す3人。ジャンクでポップなサウンドをぶん回すアンサンブルも、何か言うたびに「リンダ？」「マーヤ？」と合い言葉のように声を掛け合うコンビネーションも、聴いてるだけでニヤニヤしてしまう高揚感と悪ノリ感に満ちている。「あ・な・た・た・ち・に捧げる曲！」というリンダのコールから、今度は「リンダ（Vo）／マーヤ（Vo・G）／シンノスケ（Dr）」編成で“Candy People”、さらに「ノれる曲が少ないから、この曲でアゲていこう！」というマーヤの言葉から“物語はちと？不安定”のダンス・ロックへ突入（今度は「リンダ（Vo・G）／シンノスケ（G）／マーヤ（Dr・Vo）」編成）。「ドラムになんて座ってられへん！」と、曲の途中でフロントに出てきては「ロックンロールはまだまだ終わらないんだぜ！　自分の中で勝手に終わりを決めてはダメだぜ！」と叫び上げ、むせ返るような熱量をSEASIDE狭しと撒き散らしていく。そして、ぶっ壊れたThe White Stripesみたいな音像が突如表情を変え、獰猛な轟音クライマックスへ昇り詰める！　片時たりとも目が離せない、実にスリリングなアクトだ。さらにマーヤは「イエーイ！　あったまってきたぜ！　俺たちしゃべり長えから、あと1曲しかできない！」と叫び回りながら、「カネも権力も発言力もない一人間ですけど、とにかくありったけのパワーをビートとして伝達して、ひたちなか全部をくるんで、そのまま日本をくるんでしまうぐらいのエネルギーを放出できたら、大成功なんじゃないか！」とロックンロール魂むき出しのMC（というか絶叫）で、オーディエンスの熱い拍手喝采を巻き起こしていく。最後はシンノスケのフィードバック・ノイズから、「マーヤ（Vo）／シンノスケ（G）／リンダ（Vo・Dr）」編成でヘヴィ・バラード“死神DANCE”。「ロックンロールはまだまだ続くぜ！　サンキュー！」という最後のマーヤの咆哮が、涼しさを増したSEASIDE STAGEを熱く震わせていた。（高橋智樹）