

細美が奏でるアコギのオーガニックな響きを精緻な音のタペストリーへと構築してみせる“Deerhounds”をはじめ、最新アルバム『A World Of Pandemonium』からの楽曲を軸に据えつつも、1stアルバム『Trash We'd Love』&2nd『ANOMALY』の楽曲も盛り込みながら、それらの楽曲越しにthe HIATUSの「今」を提示していくような、荘厳なまでに真摯なアクト。ひたちなかの夜空を熱く焦がしていくような“Insomnia”の熾烈な音像も、常に己の音と表現を研ぎ澄ませ続けている彼らだからこその強度とダイナミズムを兼ね備えているし、細美&masasucksのアコギが妖しくスリリングに絡み合う“The Tower and The Snake”はロックやバンドといった方法論すら超越したような透徹した美の世界を体現している。
そんな張りつめるような演奏とは裏腹に、「やべえ! すげえ楽しい! ありがとうございます!」と満場のオーディエンスに終始朗らかに語りかける細美の言葉からも、この日のステージへの手応えが窺える。「人生っていうのは『自分らしくいられるかどうか』に1から100までかかってる。最後の最後まで自分らしく生きてください!」……この日のステージで、細美はそう話していた。他の誰でもない/他のどこにもない表現を求めて自らをブラッシュアップし続けてきた彼の想いが、その言葉から、そして何よりその音楽からリアルに伝わってくる、感動的なアクトだった。ありがとうthe HIATUS!(高橋智樹)


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