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さあ、いよいよ最後の出演者、the HIATUSを迎えるレイク・ステージである。1曲目、美しいピアノの旋律に導かれてスタートしたのは“Ghost In The Rain”だ。激しく、そして際限なく広がってゆくバンド・サウンドが姿を現す。そして次々と楽曲が披露されてゆくが……なんだろう? この図鑑に載っていない未知の生命体に出会ったような「ロックが生まれている」感覚は。“堕天”の縦横無尽に弾け飛びつつ同時に互いを繋ぎとめているバンド・アンサンブルを目の当たりにしたかと思えば、一転して“Little Odyssey”の壮大な歌唱に打ちのめされる。不穏さの中から急激に転がりだす“Storm Racers”には、跳ね回るオーディエンスもいれば、呆気に取られて棒立ちになっている人もいる。どちらも正解だと思う。「あのね、これが俺たちのやりたいことです。今日はここにいてくれて、ありがとうございました」という細美の言葉に、大きな歓声が沸きあがっていた。感動的なメロディを持つ“ユニコーン”ののち、張り裂けんばかりの声で、闇に沈むひたちなかの空に染み渡る歌を聴かせた細美武士だった。 止まないアンコールの催促に応えて一人ステージ上に現れた細美は、肉声で「ありがとうございましたぁー!」と叫ぶ。続いて他のメンバーも喝采の中に登場。「まだアルバム一枚しか出してなくて、全部本編でやっちゃったんで、もう曲がないんだけど、すごい変なんだけど、この曲をもう一回やります。本当にどうもありがとう!」と“The Flare”をプレイした。本当に素晴らしいフィナーレであった。(小池宏和)