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今年5月の「期間限定で9mm Parabellum Bullet・滝 善充、正式加入!」の報せには心底驚かされたが、その期間終了→脱退後のROCK IN JAPAN 2012 ・2日目のSEASIDEにて、今や幻となった6人編成のmudy on the 昨晩が1日限りの復活! 定刻になると、ギター・フルサワを筆頭にメンバーが登場。ステージ狭しと6人が居並んで、オープニングの“YOUTH”から滝は激烈にジャンプ! 初っ端から森ワティフォ(G)はアンプに乗り上げるわ、桐山(G)もギターぶんぶん振り回すわで、いきなりカオティックな熱狂が現出。フィールドも砂埃を巻き上げながらヒートアップする。間髪おかず“Zyacalanda”へと雪崩れ込み、9mm Parabellum Bullet・菅原卓郎&中村和彦&かみじょうちひろもPA席から見守るなか、爆風を巻き起こすようなパフォーマンスでSEASIDEを席巻。朴木(B)と伊藤(Dr)による堅実かつ躍動的なリズム隊のバックアップによって、フロント4人は暴れたい放題に暴れまわり、正気の沙汰を遙か超えた異界で破顔しながら踊るのだった。昼下がりとあって真上から太陽が照りつけ、さながら直火焼き状態のフィールドなのだけれど、そんなこともろともせずに乱舞するオーディエンスも本っ当にタフだ。

ひと息ついて、「暑い! 名古屋から来ましたmudy on the 昨晩といいます。あの、元メンバー・滝です(笑)。元プロデューサーであり、元メンバーなんですよ」とフルサワが紹介すると、オーディエンスから盛大な「おかえり~!」が。「いいね、スペシャル感が楽しいと思います。ボケッとしてたら終わってしまうので、スペシャル感を楽しんでください。今日自体がスペシャルでしょ? 3日間がスペシャルでしょ!?」(フルサワ)とひとしきりアジッて、終盤の“PERSON!PERSON!!”でも「オオオーオッオ!」の一大コーラスが勃発。性急なストップ&ゴーやキメの多様など、何しろ難易度Cの曲芸のようなサウンドを目まぐるしく掻き鳴らしながら、一糸乱れぬフォームで絶頂へと駆け上がっていく6人の技術と熱量には感嘆を禁じえない。「ありがとう! ラスト、行くぞー!!」(フルサワ)と、最後は“ダブル・プゥル”で幾度目かの絶頂へ! 全編クライマックスだけで構成されたような、目にも耳にも痛快な30分だった。(奥村明裕)