最新アルバム『2100年』が最高に骨太なロックサウンドで痺れたのだが、思えば初期から“憂鬱なラブソング”“明日もこの世は回るから”などMega Shinnosukeの根底にはロック精神が息づいていたように思う。その精神をよりハードにぶちまけた最新曲“一生このまま”は、《コメディ映画とか銀杏BOYZとか/マックと缶ビールとか》で日々をやり過ごしつつ、《君が消えた下北沢》で未練と後悔と一生消えない愛を歌う痛快なまでにどストレートなラブソングだ。『2100年』のラストナンバー“永遠の少年”で《ほんとうに好きであれば/一生かけて愛してやれる》と歌っていたMegaは、今作で《一生このまま君を好きかもしれない》というパンチラインを放つ。「今この瞬間は一生好きだと思っているけど、それも永遠だとは言い切れない」という叫びは、身勝手で正直で、ある意味究極的に誠実。この曲を聴く時だけは矛盾もすべて抱きしめて、今の気持ちにとことん素直になれる気がするし、《雨降りパンクかけながらチャリを漕いでる》というフレーズよろしく、僕は“一生このまま”こそチャリ漕ぎながら爆音で流したい。(畑雄介)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年7月号より抜粋)
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永遠を信じていたい少年少女たちへ
Mega Shinnosuke『一生このまま』
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