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メジャーデビュー25周年を迎える来年の3月22日まで限定で5人での活動を再開したRIP SLYME。このコンビネーションは最高だと、生音の質感を活かしたトラックが二十数年前を彷彿とさせたりもする“どON”を聴いて強く思った。高い声質のPES、低い声質のSUが再び加わって繰り広げるラップは、聴いている左右の耳に手足が生えて踊り出しそうなくらい楽しくてグルーヴィー。ライミングでさりげなく粋な技を繰り出していて、バラバラっぽいのにバランスが絶妙なこの風味、リップに触れたことがないリスナーは「このすごい曲、何!?」となるだろうし、長年にわたるファンは「そうそう、この感じ!」となるはずだ。具体的にピックアップして説明しすぎると野暮になるのでやめておくが、元ネタに気づくと猛烈に笑える言葉のサンプリングがたくさんあるので、聴きながら見つけてほしい。文化的背景を理解しているからこそ余すことなく楽しめる日本語ラップの醍醐味も、約8年ぶりのこの編成でたっぷり届けてくれている。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より)
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