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結成3周年を迎えた翌日、満を持してリリースする1stフルアルバム。ギターロックを軸にした攻撃的なサウンドを携え、ライブハウスで年間100本超のステージを重ねた彼女たちの、確かな進化が詰まった1枚だ。一貫して響いてくるのは、ワキタルル(B・Cho)が紡ぐ等身大の言葉たち。多くが「私」から「君」へと綴られているのだが、赤裸々で取り繕わない胸の内は、自然に聴く人自身を投影させる。しかしそれが共感だけでないところがちゃくらのすごみ。《君が苦しい時だけ私の苦しみも愛せる気がするの》という切なさの先に《弱さは負けじゃない》《私は太陽に勝ちたい》(“万人様”)と歌う。そこには一緒にもがきながら、聴く人の痛みや葛藤さえも抱きとってくれるような包容力があって、つい肩を預けてしまいたくなるのだ。ちゃくらの代表曲“海月”の再録や、ふたりだけの世界の危うさが漂う詞と裏腹に、爽快感溢れるサウンドが光る“いびつな愛ですが”を含めた14曲。ちゃくらの飾らない歌たちが私に今日を乗り越える力をくれる。(江口祐里)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より)
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