【インタビュー】新作『CIRCUS』が告げる新たなディケイドの始まり! 鮮やかな変革に込めた、Novelbrightの揺るがぬ熱いスピリットを語る

【インタビュー】新作『CIRCUS』が告げる新たなディケイドの始まり! 鮮やかな変革に込めた、Novelbrightの揺るがぬ熱いスピリットを語る
ライブハウスから、そして路上から、今やアリーナをソールドアウトさせるまでに成長したNovelbrightは、常に自らのネクストステージを掲げては、有言実行でその夢を形にしてきたバンドだ。彼らがその先に見据えるのが「世界」であるということは、もはや必然である。昨年迎えた結成10周年を経て、その「世界」へと近づくためにNovelbrightが選んだのは「変化」「拡張」というベクトルだった。

2021年の『開幕宣言』、翌年の『Assort』は、世間に「Novelbrightとは?」を知らしめるものだった。そこから約2年ぶりとなる新作アルバム『CIRCUS』は、充分な技量と自信を身につけた彼らが確信的に放つ大変革の1枚である。従来のNovelbrightを更新するような既発曲の一方で、約半数を占める新録曲たちの尖り具合、振り切れ具合は、メンバーも語るように「攻め」の産物。この『CIRCUS』というアルバムは、変わらず自身の夢を追い続けるために、彼らが鮮やかな「変革」を遂げたということを明確に示している。

インタビュー=杉浦美恵 撮影=Maciej Kucia(AVGVST)


デモの中には、Novelbrightらしい曲もたくさんあったんですけど、「今回は攻めていいでしょ」っていうスタンスで(圭吾)

──Novelbrightのネクストステージが見える、スケール感のあるアルバムになりましたね。既発曲の濃密さもありつつ、さらに新録曲に新機軸を感じさせるものがたくさんあって。全15曲、まさにフルサイズという感じです。

竹中雄大(Vo) これまでは、「Novelbrightってこういうバンド」みたいな世間のイメージを裏切らない、名刺のような作品を出してきたと思うので、ここからはもっと自分たちの可能性を広げる面白いアルバムを作りたいなと。今回はいい意味でNovelbrightっぽくない曲も入れていて、かなり挑戦的な作品になったと思います。

圭吾(B) アルバムは既発曲と新曲のバランスが大事やと思っていて。既発曲が8曲もあるので、それに負けないボリュームで新曲を入れようということで必然的に15曲になりました。

──そうしてできあがったアルバムに『CIRCUS』と名づけたのは?

山田海斗(G) 僕です。去年の『ODYSSEY』ツアーは10周年の旅という感じだったんですけど、その旅が一旦終わって。この先もメンバーとスタッフチームと一緒に、また旅を始めるし、日本だけじゃなく世界にも飛び出していきたいなっていうのが『CIRCUS』というタイトルに込めたイメージでした。

沖聡次郎(G) もうめちゃめちゃいいアルバムになったという手応えがあって。『開幕宣言』を出して、次の年に『Assort』を出して、そのまま順当に、『Assort』の翌年に次のアルバムを出していたら、この『CIRCUS』のようなアルバムにはなっていなかったと思います。『Assort』のあと、ツアーも含めていろんな経験をしたし、いろんな出会いもあって、たくさんのインスピレーションを蓄積した期間があったからこそ、今までとちょっと思考が変わって、新たな挑戦を詰め込んだアルバムになりました。

──新しいことにチャレンジしたいということからそうなったのか、必然的に音楽性が広がっていったのか、どちらでしょう?

ねぎ(Dr) メンバー間で「こんな曲やりたいね」って、制作前のディスカッションをよくしていたので、なるべくしてなったというか。

竹中 新しいことは常にやっていきたいですし、「こういうのをやりたい」っていう、その時々の自分の中のトレンドとかもあったりして。そういう「今の自分」を大切にしているのが、形になったかなと思います。

圭吾 バンドって、ちょっとずつでも変わっていくべきだと思っていて。自分としては、毎回同じようなテイストのアルバムを出すバンドより、「変えてきたな、かっこいいな」というバンドのほうが好きだし、そうなりたいという思いがあったんですよね。既発曲にはタイアップもついていたりして、「これぞNovelbright」という曲が多いので、新曲は攻めていこうぜと。デモの中には、Novelbrightらしい曲もたくさんあったんですけど、削ぎ落として。「今回は攻めていいでしょ」っていうスタンスで作っていきました。

【インタビュー】新作『CIRCUS』が告げる新たなディケイドの始まり! 鮮やかな変革に込めた、Novelbrightの揺るがぬ熱いスピリットを語る

バンドマンが元カノのことを歌にする場合、それがいい歌やったとしても、元カノだけめちゃめちゃ犠牲になってるやんって思って、“サクリファイス”を作りました(山田)

──1曲目の“Mission”がもう、Novelbrightの新たな開幕宣言ともとれる曲で。《次の場所でも制そう》という歌詞が印象的な攻撃的な楽曲ですね。

竹中 “Mission”は『キングダム』の主題歌になったらええのになと思いながら書きました(笑)。おかしいな、『キングダム』のタイアップ来ると思って書いてたんやけど、来てなかった(笑)。

圭吾 タイトルも最初“キングダム”だったし(笑)。

竹中 歌詞はもろ『キングダム』(笑)。まあ、どういう状況に置き換えて聴いても、戦ってる人には刺さる曲なんじゃないかなと。攻めの姿勢で、今何かに挑んでいる人に刺さってほしいなという思いがあります。

──Novelbrightのロックバンドとしての攻撃性が見える曲ですが、この疾走感はすごい。これはまず山田さんが曲を?

山田 そうですね。攻撃的でラウドな感じなんですけど、でも2番でアコースティックな音を入れて雰囲気を変えたり。間奏はまたカオスな感じだったり、これまでにないサウンドにしたいと思っていました。

竹中 この曲、デモをもらった時からめちゃめちゃ好きやったんです。イントロがかっこいいなと思って。攻撃力高めの、切り裂いていくような破壊力がある曲だけど、メロディはきれいにしたいなと思っていました。

──続く“Awesome Life”では《散々だった人生だって/それでもここまで来れたんだ》という歌詞があったりして、バンドの10年を振り返るようなイメージも感じたんですけど。

竹中 そうともとれますけど(笑)、あまりそういう意識はなかったです。自分に向けて歌った感もあって。落ち込んだり凹んだりしてる時に、自分の仲間やまわりの人たちがかけてくれたあたたかい言葉によって頑張ろうと思えたことを、自分と同じように苦しんでいる人に向けて歌えたらいいなと思って書きました。


──“Sensation”はポップソングとしての洗練とグルーヴを感じる曲で。この曲は沖さんが最初に曲を書いたんですか?

 はい。もともとR&BやAOR、ヒップホップとかが自分のルーツにあって。いろんなカテゴリーの曲にバンドで挑戦しようとして、「こういう曲ができないか」っていろいろ意見が出てくる中で、僕が「作ってみたい」と言って作らせてもらった曲でした。もともとあった曲ではあったんですけど、今のNovelbrightがやったらどうなるんだろうって、ワクワクしながら作ったのを覚えています。

竹中 すごく好きな曲ですね。こういうタイプのミディアムテンポの曲はなかったし、天気のいい日曜日の昼にピクニックしながら聴きたいなっていうような曲になったので、春フェスとかでぜひやりたいです。


──“サクリファイス”はバンドのポップセンスがすごく炸裂している楽曲で、これもNovelbrightの新機軸を感じる曲でした。これは作詞が山田さんですが、すごく情緒があるというか、心の深い部分をえぐるような歌詞です。

山田 まず、僕が彼女と別れて、この経験は歌詞にしておかないともったいないなって思ったんですよ。でもよくよく考えたらバンドマンとかが元カノのことを歌にする場合、それがいい歌やったとしても、それって元カノからしたらどうなん? その人だけめちゃめちゃ犠牲になってるやんって思って。ラブソングってきれいなことを言ってるけど、結局自己満でしかない歌やったんやなっていうのをひとりで考えてて、それを歌にしました。

圭吾 すごいな。でもマジで歌詞めっちゃいいよね。

 うん。めちゃくちゃいい。

竹中 サビの《あなたを犠牲に作った/誰もが愛したラヴソングなのに》っていう歌詞は、ものすごくわかりやすい言葉なのに、どこにもなかった言い回しで、そこにすごくセンスを感じました。個人的に、海斗くんが今まで作った歌詞の中でこのサビの歌詞がいちばん好きかも。誰もがわかる言葉でこういう表現をするのって意外と難しいから。

山田 ありがとうございます!

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