レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、再び解散か? ブラッドがバンドの「終わり」を宣言

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、再び解散か?  ブラッドがバンドの「終わり」を宣言 - rockin'on 2024年3月号 中面rockin'on 2024年3月号 中面

年明け早々の1月3日に、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのドラムのブラッド・ウィルクが、インスタグラムで事実上バンド3度目の「解散」宣言をしたから仰天した。

「RATM(ティム、ザック、トムと俺)は、今後ツアーすることもライブ演奏することも2度とない。楽しみに待っていてくれた人達には本当に申し訳ない。俺も実現すれば良いのにと思っていたんだが……」と。さらにコメント欄で、「心の底から……これまで俺達を応援してくれた人1人1人にどうもありがとう」と付け加えていて、これによりバンドの「終わり」が告げられている。

その後、バンドはノーコメント。とにかく残念なのは、事実上最後となった去年のツアーが、米メディアも書き立てていたし、筆者も全く同感だが、バンド過去最高かと思う衝撃的な内容だったのだ。それなのになぜ?

レイジは、2000年10月にザック・デ・ラ・ロッチャがバンド離脱宣言をし、最初の解散をして以来、これまでも解散、再結成を繰り返している。2007年のコーチェラで再結成し、2011年までツアー。今回は、2020年米大統領選挙の年、再々結成ツアーの予定が、パンデミックで延期。2022年ようやく再開するもツアー2日目にザックがアキレス腱損傷。しかしステージ中央に座ったままで、ザックに何か舞い降りてきたとしか思えないようなフロントマンとしての類稀なる才能を見つけ全米を圧倒した。しかもオリジナル作は3枚(※4枚目『レネゲイズ』はカバー作)で、1999年以来25年新作はないのに、レイジが、どんな時代の問題とも誰よりも激しく戦う装置を持っていることを証明していた。圧巻のライブだった。もしかしたら、ザックはそこでこのバンドではやり切ったと思えたのか?

ちなみにそのツアー直前にティム・コマーフォードが癌になり手術をしたので、また別の心配もある。トムが去年、ロック殿堂入りの授賞式に1人で登場し、革命を起こしたかったら「俺達を待つな。レイジはここにはいないけど、あなた達はいる。俺達がやろうとした仕事はまだ終わってない。だから今あなた達が証言する番だ」と言ったけど、あれはトムなりの終わりの宣言だったか? 疑問だらけだ。

でも、最後のツアーでこのバンドが永遠に古びないと確信できたことを幸せに思うべきなのかもしれない。だからレイジの音楽を永遠に聴き続けたい。そして、再び革命のために突然立ち上がってくれることも密かに待ちたい。 (中村明美)



レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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