ワンダーホース――今新たな風を起こしつつある新世代UKオルタナバンドを徹底解説する


【今月の気になるあいつ】ワンダーホース

フロントマン兼ソングライターのジェイコブ・スレーターによって2020年に結成されたイギリスのロックバンド。当初はソロプロジェクトとして始まったが2021年に4人体制となり、2022年10月には、デビューアルバム『Cub』をリリース。その後、フォンテインズD.C.やピクシーズのサポートアクトを務めた。2024年8月にはセカンドアルバム『Midas』をリリースし、各誌から絶賛を受け、UKチャートでも初登場6位にランクインした。


現在発売中のロッキング・オン11月号では、「気になるあいつ」にてワンダーホースを掲載しています。本記事の一部をご紹介。


「なぜ今、敢えてギターロックをやるのか?」と、ロックの不振が続いた10年代には、多くの新人バンドがデビューするなりその理由を訊かれ続けてきた。しかし、もうそれは過去のことだ。ヒリヒリと焼け付くような熱を帯びたギターと歌声で、バンドとしてのカリスマで、もっともらしい理由をすっ飛ばし、リスナーの胸の柔いところをズドン!とひと突きにするような若手バンドが次々に登場、一方で彼らのロックンロールに理屈抜きで感応する、新世代リスナーも育まれつつある20年代。そんな今、イギリスで大きな注目を集めている若手バンドがWunderhorseだ。とにかく、彼らのニューアルバム『Midas』を聴いてみて欲しい。フォンテインズD.C.のようにロマンを宿したネオクラシカルなロックバンドを狂おしく愛する人ならば、必ずその魅力にも取り憑かれるはずだ。

Wunderhorseはフロントマンのジェイコブ・スレーターを中心に、英コーンウォールで結成された4ピースバンド。結成当初はジェイコブのソロプロジェクトの色合いが強く、3年前に筆者が初めて聴いたシングル“Teal”の段階でも、Wunderhorseはシンガーソングライターとして紹介されていた。ジェイコブの歴史を更に遡ると、10年代半ばのサウスロンドンのシーンを追っていた人ならば、Dead Prettiesというバンドを覚えているのではないか。これは彼が10代の頃に組んでいたバンドだ。また、ジェイコブは『トレインスポッティング』のダニー・ボイルが手がけたドラマ、『セックス・ピストルズ』(22年)でポール・クックを演じている(深く考えずにオーディションを受けたら、受かってしまったらしい)ので、気づかないうちに観ていた人もいるかもしれない。

(以下、本誌記事へ続く)


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