4月7日発売のロッキング・オン5月号はイエス特集! 歴史的傑作『危機』のすべてに迫る総力特集


プログレッシブロックの雄、イエスの最高傑作『危機』のスーパー・デラックス・エディションのリリースを記念して、本誌では初めてのイエスの表紙巻頭特集をお送りします。

多岐にわたるプログレッシブロックの系譜の中で極めて楽曲主義的/アンサンブル至上主義であるイエスは、それ故にロック史の中で軽視されがちだった面と、だからこそ巧みに時代をサバイバルできたという面の両方があります。テーマ主義や音の求道者への道を突き進むというよりも、常に楽曲のアンサンブルとしてプログレッシブであろうとしてきたのがイエスだと言えます。だからこそ、ほとんどのプログレバンドが衰退した80年代になっても当時最新のサウンドプロダクションを駆使した“ロンリー・ハート”をチャートの1位にランクさせ、それ以降も90年代に至るまでNo.1シングルヒットを生み出してきたのです。

そのイエスのアンサンブルのまさしく極致である『危機』は、ジョン・アンダーソン、クリス・スクワイア、スティーヴ・ハウ、ビル・ブルーフォード、リック・ウェイクマンという歴代最強のメンバーのプレイが縦横無尽に展開しながら、同時に交響曲として完璧に統合され、さらにハードロックをも凌駕する肉体性、そして歌のメロディーとハーモニーの美しさも兼ね備えた、まさにプログレッシブロックの奇跡と呼べるアルバムです。

そのイエスの最高傑作『危機』をこの特集では徹底的に解明します。

それと同時に、過去のジャンルの代表のようになっているプログレの中で、実は2000年代以降の時代とのリンクを最も感じられるのはイエスではないか、という問題意識がこの特集のエッセンスでもあります。ザ・フレーミング・リップスやモデスト・マウスら00年代サイケデリックインディー、アニマル・コレクティヴやギャング・ギャング・ダンスら10年代ブルックリン系、さらに今のスクイッドやブラック・カントリー・ニュー・ロードらの新たなバンドのあり方に、イエスの「逸脱と調和」のアンサンブルは大きな影響を与えています。

そうした様々な視点から改めてイエスを捉える特集です。(編集長 山崎洋一郎)



『危機』を多角的に掘り下げた充実の一冊。ぜひ、お手に取ってご覧ください。


イエス特集は、4月7日発売の『ロッキング・オン』5月号に掲載です。ご予約はお近くの書店または以下のリンク先より。

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