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フロアの電気が落ちると、低い、しかし張り詰めた歓声が上がる。じわじわとステージの照明が明るくなると、ステージにすっくと立ったMCの2人が浮かび上がる。そして次は爆発だ。静から動じゃない。静から爆発である。“山嵐”だ!!!  爆発するのわかってて、でもバクダンに飛びついて信管をひっこぬく、そんな途方もない「登場感」。続いてはアルバム『マウンテンロック』の初っ端をド派手に飾った “DREAM ON”。サビでは、SATOSHIが赤いタオルを振り回してフロアを煽りまくるのに応えて、フロアのみんなもタオルを回す回す。その光景は、完全にイキのいいサポーター大集結の熱狂ゴール裏。燃える山嵐サポに、さらにハイオク燃料投入。“山嶺”!!!!
ここでギア・チェンジ。ここからは、『COLORS WATER MUSIC』というアルバムで具現化した、彼らがヘヴィ・ロックを特攻態勢で極めていくなかで培ってきた仲間たちや、アーティストたちとの交歓、それがステージで表現されるのだ。“Everyday is A New Day” ではAKEEYが登場、友人どうしならではのユーモア漂うかけあいの妙で、フロアの熱がこれまでとは違う親密な形で高まっていく。次に登場したゲストはNG HEADで“Do It!!!”。ハスキーとマンガチックの境界線を見事にドライヴィングしてゆくNG HEADのスタイルは、熱くもチャーミング。NG HEADは曲が終わった後も、ユーモラスな関西弁をうまく活かしたフリースタイルでフロアの支持をかちとっていった。続いては“Believe Me”。ソウスクのハヴ・アイ・スクリームが登場して、熱いアクションとさすがのライミングを見せつけて、都市のクールネスを想起させるこの曲をがっちりと引っ張っていった。“未体験ゾーン”、“パカパカ”での熱狂を経て、またもやゲストが登場! ラッパ我リヤがコールされるとフロアは大歓声。「セイ・ホー!」の煽りの威力は流石。そして披露された“嵐2003”は、山嵐+我リヤの4MCはマジに壮観だった。
我リヤが舞台袖に下がると、SATOSHIはこう言った。「年末にこうやって、音楽があるところに音楽が好きってことで集まって――これからもずっとそんな空間を作っていきたいと思うんで、頑張っていきたいと思います」。そんな熱い心意気そのまんまの名曲“BOXER’S ROAD”で本編が終了した。
アンコールはこれまた名曲、“LOOP”。山嵐、そして山嵐の名曲群、そして多くのゲストの姿に、あらためて「生き方としてのミクスチャー」というものがあることを思い知らされた。ポジティヴィティ、ロマン、心意気、攻撃性――時にはそんなものを放り出して語感だけで詞を作りもする。また、信頼すべき友人たちとの交流のなかで、どんどん分け隔てがなくなっていくロック、メタル、パンク、ヒップホップの壁。そういったすべての物事を自分のものとして、山嵐として「投げ散らす」――ミクスチャーの真髄が、このライヴには確かにあった。彼らなりの「態度としてのミクスチャー」を貫徹させて、この日のライヴは終わった。彼らは、このライヴをひとつの区切りとして、来年から半年間活動を休むという。山嵐としての総決算にふさわしい、豪華で、熱いライヴだった。
最前列で汗だくの2人は岐阜県から参戦。
「山嵐最高! さっき会場でKOJIMAさんに会っちゃった!」
MUSIC IS ALL!


カウントダウン・ジャパン2日目のギャラクシー2、すべてのアーティストのライヴが終了しました。ステージを盛り上げてくれたアーティストの皆さん、そしてフロアを熱く、そして温かいものにしてくれた皆さん、本当にありがとうございました。そして、いよいよです! 大晦日です!! オールナイトです!!! 皆さん、このクイック・レポートで、そしてここ幕張で、間違いなくお会いしましょう!!!(柳憲一郎)