これまでのCOSMOステージの空気を根底から覆す、全く異質な音塊がtoeのステージで生まれた。2本のアコギとベース、ドラムス、キーボードからなる 5人編成の彼らのステージに、ヴォーカル・マイクはない。しかし最新シングルからのリード・ナンバー“繋がる遥か彼方”で幕開けたtoeのパフォーマンスを耳にすればすぐに、彼らのツイン・ギターがツイン・ヴォーカルとして機能していることが分かるはずだ。まるでギターの爪弾きを言語とする2人のコミュニケーションのように、メロディの応酬が続いていく。定型化したポスト・ロックを今一度解体する「ポスト・ポスト・ロック」の趣を持つ“1/21”や “New Sentimentality”では、耳からまずは頭に上った音刺激がある瞬間を契機として、一気に身体へと急降下していく興奮を感じることができた。エレキ・ギターに持ち替えての“孤独の発明”以降の流れにおいてそれは、さらに痛いまでの直接刺激へと変貌を遂げていった。身体を激しく震わせながら、マイクを通さずに何かを叫び(歌い?)ながらtoeが刻みつけたカタルシスは、音が鳴り止んだ後も余韻が消えることはなかった。(粉川しの)
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