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本番20分前に本人達による渾身&本気のサウンドチェックが始まって度肝を抜かれたNo Regret Life。本編では3ピースならではのタイトな美観を死守しながらも、同時に寸止めや計算を度外視したドラマティックな広がりを随所で感じさせるアンサンブルを披露してくれた。そんなタフなサウンドをさらに飛び越えてこちらに挑みかかってくる小田のヴォーカルも素晴らしい。「去年の幕張のカウントダウンが終わった後にできた曲です」と紹介された“右手の在り処”のようなミドル・テンポのナンバーでも、疾走型のアンセミック・ナンバー“憧れの果て”であっても、彼の声の強度と説得力は常にブレない。言葉を一言一言噛み砕くように小田が歌うのは、日常に転がっている一方通行、もしくはすれ違いのもどかしさであり、そして彼らが手にしているのは唯一にして絶対の武器=ロックンロールだということ。古今東西を問わず掻き鳴らされ続けていくそんなギミックなしのロックンロール・バンドの精神性を、改めてここ幕張で発見させられた気分になるパフォーマンスだった。(粉川しの)