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のっけから灼熱! のっけから全開! オープニング“孤独が匂うのだ”の初っ端からMOONステージ客席前方はすでに瞬間沸騰である。「熱くならない魂を持つ人は可哀想だねぇ、本当のところっ!」。そう絶叫した横山(Vo&B)のMCにも象徴されるように、オーディエンスの斜に構えてバンドを、音楽を推し量るようなスタンスをバコバコに叩き潰していく愚直なまでにまっすぐな歌、それがテルスターの真髄だ。キュワンキュワンと人を食ったうねりを聞かせるキーボードも、彼らの硬軟併せ持った爆走エンジンに寄与している。ただし、硬いコブシのジャブを俊敏に繰り出すかのようなファスト&ラウドな彼らのパンク・サウンドは、「楽しむその決意はあるか」と問いかける“決意はあるのか”を筆頭に、単純に熱けりゃOKな甘い全肯定の人生賛歌ではけっしてない。鋭いメッセージ・チューン“街に残る”、どうあがいても楽しくなれない瞬間の風景をミニマムなベース・ラインに乗せる“見えぬ方向性”など、そこには10年選手ならではのタフネスと苦味が刻まれている。だからこそ彼らの破天荒な熱さはリアルなのだ。(粉川しの)