メニュー



名残惜しくもMOON STAGEの最後のアーティストを紹介する時がやってきた、hare-brained unity! 今年メジャー・デビューし、3枚のシングルとライヴでじわじわとシーンの期待を膨らませてきた彼らは、「ハッピー・ニュー・ディスコ!」と叫びながら会場の期待を絶頂まで高める。そしてオープニングから“Clip”で会場をダンスの渦に!「最後にこのステージを選んでありがとう。倒れるまで躍らせてみます!」と言うMCにのって2月7日に出るニュー・アルバムから新曲“Circle”もいち早くぶっ放してくれた。これがまたいいメロディ! 「四つ打ちとギターロックの融合」と形容されるヘアブレだが、ライヴを観てつくづく感じるのは、彼らがこの音楽性へと向かうのは、そうした形式やフォルムを志向しているわけでなく、ただただ、いい歌とカッチョいいギターロック、そしてダンス、というロックファンの究極の3つの願いを全部やりたい!という切実な欲望からだと思うのだ。たからこそ布谷(Vo&G)の歌はアスファルトを裂いて芽吹く雑草のようにのびやかにギターの轟音を突き破り、ベースとドラムは四つ打ちビートに負けないように力強く自分自身のグルーヴを叩き出す。その拮抗する4つの音をつなぐ赤い糸が「四つ打ち」というダンスミュージックなのである。アンコール、大仏のかぶりものをしたダンサーが登場し、インディー時代の名曲“SAYONARA”で会場をダンス天国に変えた。ギターロックの明日は任せた、と肩を叩きたくなる盛大なフィナーレだった(井上貴子)